玄関を開けると直ぐに、父さんのビンタが飛んだ。「しょうもない事をするな」と
怒鳴られた。「ごめんなさい」と言うと、母さんが「ご飯、食べるでしょ。」と言って鍋の中のシチューを温めてくれた。
シチューの温かさが染みるようだった。
ベットに入ってから、
すぐには寝付けなかった。また会おう、
なんて簡単に約束してしまったが、
知っているのなんて名前と年齢くらいで、
高校やどこに住んでいるのかさえ
知らないのだから。
「学ラン、ね」
あまり見ないタイプだから、
もしかしたら直ぐにわかるかもしれない
とか、他校の友達ができるのは初めてだな、なんて、そんなことを考えているうちに、意識を手放した。