お坊さんが木魚を叩きながら、お経を唱える。
あたしの横には、お父さんとお母さんの写真が飾ってある。
…あたしのお父さんとお母さんは事故で死んだ。
…昨日まであんなに元気に喋ってたのに。
…もう、あたしを抱き締めてくれることもない。
…料理を作りたい相手もいない。
あたしは、ただ漠然としていた。
まだこの状況が信じられなかったから…
まだお父さんとお母さんが帰ってくると信じているから…
でも…
そんな期待も裏切られ、葬式を終える。
これからあたしは、どうしていけばいいの…?
お父さん、お母さん…
あたしを1人にしないでよ…
あたしを置いて行かないでよ…
ねぇ、戻って来て……

