黒宮は檻から出てきた。
服が少し破れているのが分かった。
…でも、どうして?
「由莉愛様。ご指示通り、ケガはしておりません」
「どうしたの!?急に強くなったような気がしたんだけど…」
「由莉愛様から勝てというご指示が欲しかったので」
「えっ!?それじゃあ…わざと負けてたってこと!?」
すると、王子様スマイルを見せた。
「えぇ!?もう、すごく心配したんだからね!」
「申しわけございません」
…まぁ、ケガはなかったからいいんだけどね。
パチン!
突然、何かが叩かれたような音が聞こえた。
…何事!?
「神山のバカ!もう知らない!」
「…申しわけございません」
「…萊人!今日からあなたがあたしの執事よ!」
「えぇ!?俺!?」
…神山さん、大丈夫かな?
…そういえば、負けたら勝った方に執事を渡すんだっけ?
…あたしは1人で充分なんだけどな。

