そして、夜。
あたしは、ドレスに着替えていた。
…なんでドレス?
「お待たせしました。由莉愛様」
「わっ!」
部屋から出てきた黒宮は決闘するための衣装に。
…カッコいい。
「…どうかなさいましたか?」
「えっ!?い、いやなんでもない!」
「由莉愛様、とてもお似合いです」
「えっ…!?あ、ありがと」
うわー!どうしよう…
は、恥ずかしい…
「は、早く行こう!」
「はい」
「決闘は衣装がドレスだし、馬車とか来てくれるんだよね?」
そんな期待も裏切られ、やっぱりヘリで移動。
「きゃー!やっぱり慣れないー!!」
会場に着くと、既にみんな集まっていた。
…緊張する。
…って、言ってもあたしが闘うわけじゃないんだけどね。
決闘は、お嬢様のために執事が闘う。
普通は執事が偽物の剣で闘うみたい。
まぁ、たまに例外もあるみたいだけど。
「それでは、執事は中へ」
審判役として務めるのは天竜寺さん。
生徒会長だもんね。
黒宮は会場に設置された檻の中へ入って行った。
「この剣じゃ、面白くないなぁ。真剣でやらないか?」
「えっ!?」
真剣って…
ケガでもしたらどうするのよ!
…どうかしてるよ!

