「澪人様は憧れの存在なのにぃ〜!」
愛姫ちゃんはハンカチを口にくわえて悔しがる。
…マンガみたいな子だなぁ。
「…だから、あなたにDUELを申し込むわ!」
「…DUEL?」
「愛姫!本気なの!?」
「…ねぇねぇ、DUELってなに?」
あたしは黒宮に耳打ちする。
「決闘です」
「なるほど…えぇ!?」
「お互いの執事をかけた勝負よ!」
「いや、あの、ちょっと…」
「負けた方が勝った方のお嬢様に仕える。…それでいいわね?」
「待ってよ!どうして決闘なんか…」
「そんなに澪人様がいいのね!ますます気に入らないわ!」
「あたしは別にそんなこと…!」
あたしはふと、後ろを振り向く。
黒宮はあたしを真剣な表情で見ていた。
…そう。
あたしは決めたの。
もう、逃げないって…!
「いいわよ、やるわよ」
「そう。それじゃあ、今夜楽しみね♪」
そう言って、去って行った。
…受けたからにはなんとかしないと!

