あたしは黒宮と2人で歩いていた。
…まだドキドキしてる。



「…あ、あのさ」

「はい」

「…き、昨日はありがとね!」

「由莉愛様…」

「あたし…頑張るから」

「はい!」



黒宮は満面の笑みであたしを見た。
ま、眩しい…!
なんて完璧なんだ…!
あたしはまた、ドキッとした。


「執事との恋愛は禁止ですよ〜」

「きゃあ!」


突然現れた女の人と男の人。
…誰だろう?


「初めまして!学園長の本城 桜でーす!」

「私は、桜様の執事の上條 雅史です!」

「学園長…!?」



学園長、若くて可愛らしい人…!
そういえば、会うの初めてだな。


「あなたにこの学園のルールを説明していなかったわね」

「お嬢様と執事の恋愛は禁止です!」

「そ、そんなこと言われなくてもあたしは大丈夫ですから!」

「それならいいんだけどぉ、澪人くんイケメンでしょー?いるのよねぇ、惚れちゃう子」



そう言われ、黒宮の方を見ると目が合った。
…や、やばっ!


「ほ、ほんとに大丈夫ですから!!」

「それと、はいこれ」

「…なんですか、これ」


渡されたのは、細長い小さな箱。
真ん中に聖蘭女学園の校章が描かれていた。


「開けてみて?」

「…バッチ?」

「そう。あなたはまだDARKだから一つだけど、LUNARやLIGHTになれば増えていくのよ」

「へぇー」


3つの穴が開いていて、左側には紫色のバラのバッチがあった。
真ん中と右側はどんなバッチなんだろう?
早く昇格したいなぁ。