次の日。
昨日までのあたしとは違う。
今日からあたしは、後継者に相応しい女になる…!



「それでは、参りましょう」

「…ちょっと待って」

「どうかなさいましたか?」

「…髪とメイク、お願い」

「由莉愛様…!」

「あたし、今日から本気でレディー目指すから!」

「かしこまりました」



すると、黒宮はあたしの髪を解いた。
長い髪が下される。


「髪、お綺麗ですね」

「それ、夏乃にも言われたなぁ」


懐かしいな、夏乃。
萊人も元気にしてるかな…?

そんなことを考えてると、いつの間にか終わったようだ。



「鏡でご確認ください」

「…わぁ!別人みたい…」


鏡で自分の顔を見ると、髪がフワフワに巻かれて、メイクもバッチリだった。
…少し、自分に自信が湧いてきたかも。


「そんなことございません。由莉愛様はお綺麗な方です」

「お世辞は結構でーす!」

「いえ、お世辞ではございません」


真剣な顔であたしを見てきた。
…ドキッとした。
…な、なに意識してんのよ!?



「は、早く行こ!」

「…由莉愛様!」



あたし、どうしちゃったの…!?
昨日あんなことがあったからかな…
と、とにかく落ち着こう!

あたしたちは学校に向かった。