「…はっ!申しわけございません…!」
黒宮はあたしの腕を離した。
あたしは、部屋を出た。
…もう、わけ分かんない。
あたしは、どうしたらいいの…?
あたしは、1人で田舎に戻った。
…あそこにはいたくなかったから。
ピロリン!ピロリン!
携帯が鳴り出した。
…こんなときに、誰なのよ。
「…由莉愛、元気か?」
「…あの、どちら様ですか?」
「ほっほ。東条 修次だ」
「お、お祖父ちゃん!?」
なんで突然電話なんか…
「由莉愛、学校はどうかの?」
「…あたし、辞めるから」
「…そうか。残念じゃ」
「…用件はそれだけ?」
「竜次の骨はこちらで預かる」
「…え?お母さんの骨は?」
「竜次を陥れた女のことなど、知らん」
「ちょっと、待って…!お母さんの骨も一緒にしてあげて!」
「断る」
「お願い…!一生のお願いだから…!」
「…ならば、後継者に相応しい女になれ」
「…あっ!」
電話はそこで切れてしまった。
…相応しい女になれって言われても。
でも、ここで辞めたらお父さんとお母さんは悲しむ…
…闘うしかないの?
急に雨が降ってきた。
あたしは、焦げた家の前にいた。
破片はまだ残っていた。
あたしは、座れそうなところに腰掛ける。
雨に打たれながら、家族で過ごした日々を思い出していた。
…あの時に戻りたい。
…お父さん、お母さん。
…あたし、どうすればいいのかな?
涙が出てきた。
…ずっと、我慢してたのに。
辛くても泣かないって決めたのに…
もう、雨なのか涙なのかも分からなかった。

