…はぁ、なんか疲れた。
今まで色々悩んでたことがバカらしくなっちゃった。
だって、もう後継者は決まりでしょ?
…だったら、ここにいる理由もないじゃん。
あたしは部屋に戻った。
「…由莉愛様!」
すると、直ぐ後に黒宮が戻って来た。
「どちらへ行っていたのですか!?探しました…」
「茉莉香様のとこ」
「えっ…!?」
黒宮は驚いたような顔をした。
あんたが隠してたこと、教えてくれなくても分かるよ。
あの人の所に行きたいんでしょ?
だったら、あたしがここから出て行けばいいんでしょ?
「…あたし、辞めるから」
「由莉愛様!」
「それと、茉莉香様の所に行けば?」
「えっ…?」
「なんであたしなんかの執事になったの?茉莉香様がいるじゃん!あんたに相応しいお嬢様が!!」
「私は…!」
「ほんと、ヒドいよね。ちゃんと相応しい後継者もいるじゃん!なのに、なんであたしなんか…」
あたしは、涙を堪えながら出て行こうとした時だった。
「…えっ?」
あたしは黒宮に腕を掴まれた。
…なんで?
「…辞めないでください」
「離して…!」
「離しません」
「やめて…!」
「…私は、由莉愛様の執事でいたいんです!」
「えっ…?」
「命令でも、誰のためでもない。自分の意志で由莉愛様にお仕えすると決めたのです!」
黒宮の手の力が強くなった。
振り向くと、黒宮は真剣な眼差しだった。
…そんな目で見ないでよ。

