「…もういいよ!出て行っても」
「いえ、私のことはお気になさらずに」
「いや、気にするってば!」
自由にくつろぎたくても、執事がいたら動きにくいでしょ!
部屋にいるときぐらい1人にさせてよね!
「ほら、あたしのことはいいから!必要なときだけ呼ぶから!」
あたしは指で扉の方を指す。
「…かしこまりました」
そう言って、黒宮はあたしが指した方向ではなく、手前の部屋に入って行った。
…え!?
そっちじゃないってば!
「…ちょっと!」
そう言うと、黒宮は直ぐにあたしの元へ走ってきた。
「なんでしょうか?」
「あ、いや、そうじゃなくて…部屋は外でしょ?」
「いえ、手前の部屋が執事専用の部屋でございます」
「…えぇ!?」
あたしはそう言われて、執事の部屋を覗く。
…ほんとだ。
ベッドと机が置いてある。
あたしよりは狭いけど、もう一つ部屋があった。
…ってことは、まさか!?
「…一緒の部屋で暮らすの?」
「執事ですから」
「嘘でしょ…」
こんなことってあるのー!?
ますますこの先が心配です……