「…えーっと、ほんとにここ?」

「申し訳ございません。DARKの由莉愛様はこちらの寮でございます」

「…まぁ、あたしはこういう方が好きだけど」



中に入ると、やっぱりボロ。
蜘蛛の巣は張ってるし、埃っぽい。



「由莉愛様、お部屋の中を確認いたしますので、こちらでお待ちください」

「うん」



そう言うと、中に入って行った。
…お嬢様学校のくせに寮はボロなんてねぇ。



「あなた、不吉なオーラを感じる…!」

「きゃっ!?」



突然、目の前に現れた女の子。
…いつの間に!?



「あなた、この学校に怒りがあるでしょ!?」

「いや、別に怒りというか、呆れたっていうか…」

「あたし、美舟 寧々」

「あ、あたしは…」

「知ってる。東条 由莉愛でしょ?」

「えっ!?なんで…!?」

「寧々様は超能力者なのです」

「超能力者!?」

「ちなみに私は、霊感がありますがね」

「えぇ!?」



な、なんなのこのコンビは!?
恐ろしい…!



「由莉愛様…!?」


慌てて部屋から出てきた執事は、あたしの様子を伺う。



「ご無事ですか!?」

「う、うん…」

「あなたたちは…!?」

「東条さんのルームメイトでもあり、クラスメイトでもある」

「え?でも、さっき教室には…」

「面倒だから、行かなかった」

「えぇ!?」


そういうのも、ありなんだ…
珍しいタイプのお嬢様だな…




*美舟 寧々-Nene Mifune-*
DARKの称号を持つ。
パッツン前髪にオカッパ頭の小柄な女の子。
頭には赤いカチューシャをつけている。
超能力者らしく、突然あたしの前に現れる。
…ちょっと怖い。


*鷲見 翔汰-Shouta Sumi-*
Bランク執事。
眼鏡をかけていて、知的な感じ。
霊感があるらしく、ちょっと怖い。