今日からお嬢様の執事でございます。













「…大丈夫でしたか?由莉愛様」

「う、うん。ありがとう…」


あたしはお礼を言うと、キラッと笑った。
…ま、眩しい!



「…由莉愛様もお席へ」

「…あっ、うん」



執事に案内され、席に着く。
…はぁ、朝から疲れるっつーの!




こうして、あたしの最悪な学校生活は始まった……


ピアノ、バイオリン、茶道、華道、習ったことのない数式、英語、フランス語、イタリア語、ドイツ語……
こんなの、高校生が習う授業じゃないっつーの!
あたしには、チンプンカンプンで先生に呆れられるばかり。

みんなには笑われるし、恥ずかしい思いはするし……


それに、驚くことはこれだけじゃない!
あたしの隣の席の子は、なんと子供!
まだ7歳というのに、あたしより断然頭がいい。
…そして、毒舌。



「お前、こんな簡単な問題も解けないのか?」

「…仕方ないでしょ!?習ってないことばっかなんだから!」

「…お前って、バカなんだな!」

「…くぅー!!」



…こんな子供にバカにされるなんて、屈辱的。
可愛い顔して、毒舌なんだから!



「苺様!そろそろ行きましょう!」

「そうだな。バカと一緒にいるとバカが移りそうだ」

「バカバカ言うな!」



すると、苺ちゃんはベーッと舌を出してがたいのいい執事と去って行った。
…もう、なんなのよこの学校!!




*花園 苺-Ichigo Hanazono-*
LUNARの称号を持つ。
子供で、可愛いのに毒舌。
IQ200の知能を持つ天才。


*照本 龍之介-Ryuunosuke Terumoto-*
Bランク執事。
がたいが良くて、背がすごく高い。
見た目は怖いけど、中身は優しい。
苺ちゃんのお父さん的な存在。