「由莉愛様、ご無事ですか?」
「…うん」
この人はあたしを起き上がらせてくれた。
あたしは、考えていた。
このままじゃ、いつものように暮らせないかもしれない。
あたしが働いている和食屋さんも、夏乃の家も、同じ目に遭うかもしれない。
そう思うと、このままじゃいられないと思った。
…分かったわよ、行けばいいんでしょ!
そうすれば、こんなことされずに済むんでしょ!?
「…あたし、行くよ」
「由莉愛様…!」
この人はパッと笑顔になった。
…あたしが後継者になれば、こんな目に遭うこともないんでしょ!?
こうして、あたしは聖蘭女学園に転入することになった。
でも、まだあたしは知らなかった。
ここからが過酷だということを……