「…え?男の人?」



あたしは次の日、夏乃と萊人に昨日のことを話していた。



「…そう。いきなりあたしの目の前に現れて執事だとか言ってた」

「執事って、まさか…そいつの名前は?」

「確か…黒宮 澪人…だっけ?萊人と同じ名字だった!」

「…やっぱり。そいつ、俺の兄貴だわ」

「ふーん。…は!?兄貴!?」



初めて知った。
萊人にお兄さんがいたなんて…
しかも、執事ってどういうこと!?



「…でも、ずっと会ってねぇし。仲悪いから」

「そうなんだ…」



なんだか色々ありすぎて頭が混乱している。
でも、どうして萊人は執事じゃないんだろ…?


そして、放課後。
あたしはバイトが終わり、外に出た。
すると、またあの人がいたのだ。



「…由莉愛様!」

「ちょっと、話があるんだけど」



あたしは、萊人も呼んで夏乃の家に向かった。
全て、話してもらうために。