次の日、あたしは学校が終わった後直ぐに和食屋さんへ向かった。
働くために……



「…由莉愛?」

「…夏乃!」


夏乃は、あたしがここで働いていることを知っている。
でも、ここに来るなんて珍しい。



「なんで働いてるの?」

「…いつまでも夏乃の家族に迷惑かけていられないから」

「何言ってんの!お父さんも言ってたでしょ!?由莉愛は家族同然だって!」

「…それだけじゃないから」

「…え?」

「1人で生きていくためにも、両親のお墓を作るためにも働かなきゃいけないの」

「でも…」

「夏乃、ごめん。あたし、もう決めたから」



あたしは決心していた。
誰にも迷惑をかけずに、1人で生きて、働いて、両親のお墓を作るんだって。
これを果たすまで、あたしはやめられない。