「…お邪魔します」
「いらっしゃい!…由莉愛ちゃん」
「…はい」
「遠慮しなくていいんだよ。由莉愛ちゃんは家族みたいなもんなんだから」
「…おじさん」
あたしは、おじさんの優しい微笑みに涙が出そうになった。
それを、あたしはグッと堪える。
「…萊人くん!?」
「…由莉愛!」
「…萊人!?」
突然、誰かが入って来たと思ったら萊人が上がり込んで来た。
…なんで萊人がここにいんのよ!?
「…何しに来たのよ」
「心配しに来たに決まってんだろ!バカ!!」
「…えっ」
萊人の顔は真剣だった。
…ここまで来なくても。
「…ありがとう」
「…おぅ」
萊人は照れくさそうに鼻をポリポリかいた。
…優しいとこ、あんじゃん。
「…由莉愛」
「ん?」
「…なんかあったら、直ぐ俺に言えよ」
「…えっ?」
…萊人。
今日の萊人はいつもより増して男らしく見えた。
少し、ドキッとした。
な、なんで萊人にあたしが…
萊人は安心すると、帰っていった。
あたしは、寝床に就く。
…お父さん、お母さん。
あたし、これからどうなっちゃうのかな…?
不安は募るばかりだった。
あたしはその日、なかなか眠れなかった。

