恋するキオク




それから私は、先を行った牧野さんと圭吾のところへ追い付いて。

隣に歩く圭吾をじっと見上げた。



「何?」


「…ううん。なんかカッコイイ」


「は?お前よくそういうこと言えるな」



照れくさそうに反対側に顔を向ける圭吾を見たら、私の方がなんだか熱くなってしまう。



明るい髪色だった圭吾が、カイのイメージに合う落ち着いた暗めのブラウンに色を変えた。

長めだった髪も、ほんの少し短くセットされてて。



言えなかったけど、ホントは前より省吾に似てるなって思ったんだ。

言っちゃダメな気がしたから、何も言わなかったけど……




「オレなりの覚悟だから」


「え?なに?」


「なんでもない」


「なに~っ!?気になる!」



圭吾の手がフッと私の髪に触れる。



なんだかすごく、ドキドキしてた。

圭吾にも、
圭吾とのこれからのことにも。



「圭吾、劇頑張ろうね」


「あぁ」








―――省吾side―――



生徒会室の窓から見下ろせば、あんなに頑張って作ってきたアーケードがとても小さく見える。

その近くで笑ってる陽奈。



隣にいるのは……圭吾か?



ガラッ!

「省吾先輩っ!」


「あ、春乃ちゃん。久しぶりだね」




オレは今日のプログラムの流れを確認しながら、一人この部屋で細かい作業の準備をしていた。


勢いよく扉を開けたと思ったら、そのままオレの目の前に走ってくる春乃ちゃん。

今は君と話してる場合じゃないんだけどな。

陽奈が、圭吾と一緒にいるみたいだから。



「先輩、陽奈のクラスがあの劇やるの知ってますよね」


「ん?恋の記憶?知ってるけど…それが何?」


「陽奈が主役って知ってました?」