なんだかおかしいよ。
私、ぜったい変だよね。
でも、考えない方がいい気がする。
きっと考えちゃだめなんだ。
こみ上げてきそうな想いを、無理やり消そうと首を振って。
そんな私の前で、圭吾はクスクスと笑い出した。
それに合わせるように、私の鼓動はどんどんスピードを上げる。
「……な、何?なんか変なとこある?」
「ううん。だってこの役、お前には似合わなすぎるだろ」
「はっ……??」
別に望んで主役になったわけじゃないけど、せっかくいただいた役に似合わないと言われることにはちょっとムッとなった。
でも
「そんなことない!ちゃんとできるもん!」
「そういう意味じゃないって」
「えっ…」
ドキッ
久しぶりにまっすぐ見る、圭吾の奥の深い瞳。
静かに見つめられると、だんだん胸が締め付けられるように苦しくなった。
「な…に……?」
圭吾の視線て、なんだかすごく切なくなるんだ。
それに……
「お前純粋そうだから……イメージが違う、そう思っただけ」
なぜかそのまま、目を逸らしたくなくなる。
「…そうかな」
なんでそんなに優しそうに笑うの?
それから圭吾はくるっと向きを変えて、鍵盤の上に静かに指を置いた。
ワンフレーズほどのメロディが流れると、耳の奥が揺れるほどの鼓動が響く。
ここに来たことに、すごく後悔させられるのはなんでかな……
「命をかけられるほどの恋愛とかさ……できないだろ?そういうの」
立ち上がってこっちを見る表情に、辛くなるのはなんでかな……
私は何も言わないまま、また静かに圭吾を見上げてた。

