たとえ今は愛し合っていたとしても、いつか離れる時が来るかもしれない。
いや、それでも絶対離さない。
そう思ってはいるけど
もしも陽奈の次の相手が、圭吾になるというなら、オレは陽奈にだって何をするか分からない。
オレが必死になって手に入れたものでも、簡単に同じことができてしまう圭吾。
あいつにだけは、奪われたくないから。
「省吾……ちょっと苦しいよ」
「絶対嫌なんだよ」
無理に押し倒そうと思えばすぐにでもできたし、ちょっと脅すようなことを言えば陽奈を圭吾に近付けないこともできたかもしれない。
でも、そんなことで束縛しても意味がないと思った。
「その優しさが圭吾にも向けられることだけは耐えられない」
オレが引っ張らなくたって、陽奈の意思で側にいてくれる。
そういう関係を、望んでたから。
「……ごめん陽奈。なんかオレ、陽奈にひどいことしちゃいそうだし。今日はやっぱり……」
オレの言葉に
不安そうな表情を見せる。
そんな顔を
させたいわけじゃないのに。
「いいよ、私……省吾が好きだし、省吾が何か悩んでることがあるなら…」
「陽奈…」
思わずまた抱き寄せた。
陽奈のいいよの意味も分かってる。
でもだからって……
抱いたから自分のものにできた。
そんなふうに考える、低能な奴にはなりたくないだろ。
何を焦ってたのかな……
「省吾……」
「ホントごめん、なんでもないよ。……送った方がいい?」
陽奈はゆっくりと首を振る。
オレも今は一人で考えたい、そう思ってた。
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