恋するキオク




沢さんの友人がやってるアクトHOUSEでは、今夜イベント兼打ち上げが開かれる予定。



「じゃあ後でな」


「おう、じゃあな」



善矢たちのバンドは、オレが抜けた後にも活動を続けてて

来月、初めてのCDを出せることになったんだ。



まだまだメジャーという先への道は長いけど

そこに続く未来は、進めば必ず見えてくるから。




「陽奈、オレも新しい曲がやっとでき上がってさ、早速聴かせたいんだけど」


「ホント!」








部屋の窓からは、相変わらずキラキラと輝く日射しが眩しくて

隣に座る愛しい存在には、いつまでも心を揺らされる。




「なんか嬉しい〜」


「え、陽奈に作った曲じゃないよ?」


「なっ…なんでぇ〜?」




大切な存在って、周りが見え始めると増えていくんだなってこと

最近また、
よく考えるようになった。




「あのさ、それくらいで拗ねないでくれる?」


「だって…」




誰かを想うほどに、その両親を愛おしく思って

また続いていく命を、守っていきたいんだと強く感じる。




「どうせ今なら一心同体だろ」


「えっ……、もしかしてこの子の曲!?」


「…なんだよ」


「親バカぁ〜」


「うるさい!」




手のひらに伝わった鼓動。

追いかけてた家族の温もり。




「…でも幸せ」


「だな」





消えることのない愛の記憶が

ここに生まれる。





*END*