「また〜…、お前ホントにすぐ泣くから。まだ心配なことあるのか」
「ううん、ない…ないけど」
腕の中で泣く野崎を、もっともっと強く抱きしめる。
離れないように、誰にも離せないように。
「ずっと隣にいてくれる?」
「いる…」
「今日のこと忘れない?」
「忘れられるわけないよぉ…」
「一緒にいるんだから、忘れられるわけないか」
「圭吾っ…ぅ、ぅ…」
無くした記憶も、いつか戻るならそれでもいい。
もう一度、話したすべてを伝えたっていい。
思い出は望まなくても増えていくんだし、気持ちを交換し合うことだって、いつでもできるんだ。
オレがここにいる限り
お前が隣で笑う限り
「なぁ…、
陽奈って呼んでいい?」

