恋するキオク





ザワザワ…

ザワザワ…




客席は、次のイベントを待つ人で埋め尽くされていて。

その陰にひっそりと野崎や沢さんや、他のメンバーがいる形になってたけど

オレの中では、すべてがそこだけのためにあって

他のことなんて、全然目に入らなかった。



こんなにたくさんの人に支えられてたこと、囲んでくれる輪の中にいたこと

気付かないようで、どこかで感じてはいたんだと思うけど

それを言葉にするのは、あまりにも難しかった。



だからずっと、オレはいろんな想いを曲で表現しながら、ひとつひとつの音に左右されて…。


でも今日は、オレが守っていくって決めた一人のために曲を弾きたい。

それを心に留めてほしくて

あの頃からの気持ちを
残さず伝えたくて



いつまでも、
その胸に残してほしいから。





フゥーーーっ…………






すべてを込めて