恋するキオク





「……痛っーー」




少し後ずさりして

それでも立ち続けてると、省吾は再びオレを殴りつけて。




ガッーー




「…………っ」


「なぁ…、オレがダメだったの?昔からずっと、周りに気遣ってやってきたのに。
オレ、全然悪くないだろ?陽奈のことだってちゃんと…ちゃんと……。それなのに、なんでこんなことになるんだよ!」


「っく……」



ガンっ!

ガラガラガラ……




立てかけられた廃材にオレの身体がぶつかると、辺り一帯には長い角材が散乱した。

硬いコンクリートを背後に感じて、それでも省吾の勢いが止まることはなくて。



「…ハァ……っ、お前も返さないのかよ。オレのこと嫌いだろ、邪魔で消したいだろ!」


「っ……」




でも何度殴られたって、言い返そうとは思わなかった。

やり返そうとも思わなかった。




「なんとか言えよ!」




オレにそんな資格なんて

あるはずも無かったし。




「なんで…なんでお前はそんなんだよ!」





お互いの呼吸が乱れてくると、切なさで胸が苦しくなる。

道なんて最初から無かった。

たぶんオレと省吾の間にも、こんな機会ができない限りは、ずっと遠いままで…




「…ごめん……省吾」


「っ、…ふざけんな!」



ガッーー




それでも引けない。

それでも、変えられない。