恋するキオク




「なんでもないけど…、その気持ち、オレが陽奈を想うよりもでかいのかなと思ってさ」



そう言いながら軽く笑う。

そして省吾は、そのまま公園を静かに出て行った。





高校に入学して間もない頃から、省吾はずっと野崎を見てきたんだろう。

オレが最初に出逢ったのだって、それほど時期はズレてないけど

もっとずっと近くで、すぐ隣で、省吾は野崎を包むように守ってきたんだ。




省吾……、どうしてオレたちは、こんなことになってしまったのかな。

このままオレとお前が、平行線のまま歩いていくんだとしても

オレはやっぱり、野崎から気持ちを逸らすことはできない。

お前がどれだけ野崎を想ってきたかもわかってるのに、手放すことなんて考えられないってこともわかってるのに


それでも……





「もしもし……、野崎か」


「……圭吾」



オレはポケットから出した携帯で野崎に電話をかけた。

何が正解かなんてまだわからないけど。

いや、そんなもの存在しないのかもしれないけど



確かに今ここにある気持ちだけは、伝えておかないと後悔する気がして。



「野崎……何も答えなくていいからオレの話だけ聞いて。それでどうしろとか、どうして欲しいとか、そういうんじゃないから」



野崎が無言でうなずくのを空気で感じる。

それからオレは、話を続けた。