恋するキオク




もう何がなんだかわからなくて、焦ってジタバタするだけのオレに茜はグッと迫ってきた。

強い視線で、オレの中のずっと奥の方にくり返し言い聞かせる。



「わかってないのは圭吾だよ…、全然考えてねぇよ」


「はぁっ…?」


「こういう時、一番傷つくのは女かもしれないけど。……それでも、そんな時でも、ちゃんと支えてくれる奴がいたら平気なんだよ。誰よりも必要としてる相手が側にいてくれたら、どんなに辛いことだって耐えられるんだよ!」


「……っ」



小さいくせに、見下ろすようにオレを見て



「それくらい気づけよ…、いつまでもガキのままいんじゃねーよ!」


「っ!くっ…そっ………」




バンッ!



「圭吾っ!」








オレは善矢と茜を残して部屋を出ると、そのまま外へ飛び出した。



そんなこと言ったって、オレに決められることなんて何もなくて。



野崎が選ぶことを見守るしか…

それしか……




「……省吾」


「よぉ…。ちょっといい?」



それしか
できなくてもいいのか?