恋するキオク




ベッドに倒れ込んでも眠れない夜。

今日学校であったことが、明日もまた続くのかと思うと辛くなる。

でもそれよりも、圭吾のことばかりが頭から離れなくて。



沢さんは時々、無言になって思いにふけってた。

全部を話してくれたのかは分からないけど、沢さんにも知らないことはまだたくさんあったんだ。


たぶん一番近くにいたんだと思うのに、それでも圭吾が打ち明けるわけじゃなかったいろいろなこと。

圭吾の思い出話を聞いてたら、今はいないその小さな圭吾が愛おしくて。

なんだかすごく
抱きしめたくなった。



どんな立場で育ってきたんだろう。

優しく包んであげる人はいなかったのかな。

隣でうなずいてくれる人は、いなかったのかな。

直接聞いたわけじゃないから分からないけど、今の私なんかよりずっと淋しい思いを、小さい頃から一人で経験してきたのかな…って。

そう思ったら、胸がギュッとなって。



ねぇ、圭吾…聞かせて。

圭吾の気持ち。

圭吾の迷ってきたこと。



「オレもずっと弱かった」

「でも、もう変われる。
この先の運命だってオレ自身のことだって。きっと…変えてみせるよ」



圭吾が一人で抱えてきたことも、少しでも私が受け止められるなら


ずっと、側にいたいから。