それから私と圭吾は、みんなのいる体育館へと戻っていった。
ちょっとだけ気を使って、二人が戻るタイミングをずらしてみたけど。
そんなことはあまり関係なかったのか、誰も私たちのことなんて気にもしてなかったみたい。
ま、いいか…
さっきの足音の時も感じたけど、私は心のどこかで、誰かに気付いてもらいたいと思っていたのかもしれない。
圭吾と私の間にあることを、全部じゃなくても少しくらい気付いてくれたら…
他の女の子たちが、圭吾に近づくこともなくなるのかなって。
そうなることが、どんなに大変なことなのかも、まだわかってなかったから。
ステージ演出の部門が終わると、生徒はみんな模擬店や野外会場の方に流れて行った。
私は圭吾の方に視線を送りながらも、話しかけることはしないで春乃のクラスへ行こうと出口に足を向ける。
一緒には、回れないからね。
ドンっ
「きゃっ…」
いきなり誰かの肩に強くぶつかって、その瞬間にふらっとぐらついた私。
態勢を整えながら後ろを振り返ると、そこにはクラスの女の子たちが圭吾の腕を引っ張って行く様子があった。
「米倉くん、一緒に模擬店回ろー」
「髪カッコ良くなったよね〜。そうだ、これから米倉くんのこと圭吾くんて呼んでいい?」
「えー!じゃあ私も〜!!」
圭吾は軽く愛想をしながら、その子たちと向こうの方へ歩いて行く。
私は一人、
ポツンとそこにたたずんで。
「もう…。謝るくらいしてよね」
私には同じことができないから。
それが少しだけ、淋しかった。

