「あっ!もう戻らなきゃ!」
「授業始まっちゃう!」
「じゃあね!」
そう、いっぺんに言われた彼は
「うん、ばいばい」
にっこり笑って
走り去っていく女の子たちに手を振った。
女の子たちは、私には目もくれず、
私の横を通って走り去る。
あー、もう授業の時間か…。
まあ、いいや。
さぼっちゃおう。
ふと、さっきまで賑やかだった場所を見ると
さっきの男の子は、教室に戻ることはせず、
花壇の煉瓦のところに寝転がって、目を閉じていた。
寝てる…?
足音を立てずに
近づいて、改めて、彼の顔をよくよく見てみると
本当に綺麗な顔をした男の子だった。
睫毛は、うっとりするほど長くて
ため息がでるほどで。
本当に羨まし___
「…なに?」
びっくりして、見てみると
長い睫毛の下の
大きな瞳が
私をじっと見ていた。
「僕になにか用?」

