高校生活二日目。

教室に行って、自分の席に向かってハッとした。
私の隣の席に誰かがいる。

そういえば昨日、誰もいなかったから
休みだと思ったんだけど…。


私の隣の席で
机に突っ伏してすぴすぴ寝息を立てている人の顔を覗き込んでみた。


「あっ!」


私が声をあげると
その人は、びくっと肩を揺らす。


「椎名くんだ!」


同じクラスだったんだ。
そう言うと
椎名くんはぼ~っと私を見つめて


「ん~…?」


しばらくしてから


「ああ…水野さんかぁ…。おはお…」


目をぐしぐしこすりながら言った。


「水野さん、同じクラスだったんだねぇ」


と、ふにゃっと笑った。
かわいい笑顔。



「まさか同じクラスで、しかも隣の席とは思わなかったね」



隙間の空いた窓から

少し風が吹き込んできて
椎名くんの茶髪っぽい髪を揺らす。


太陽の光で、その髪の毛にバッテンにつけられた、
真っ赤なピンがきらきらと輝いた。






「改めて、よろしくね」