・・・いつからだったか。
私がまだ小学生だった頃。
私の両親は、ちょっとしたすれ違いから離婚した。
優しかったお母さんと、頼りがいのあるお父さん。
私はどっちも同じくらい大切で、大好きだった。
だからどっちについていくか悩んで、悩んで、悩んで。
それでも自分では決めることが出来なくて。
結局私はお母さんに引き取られ、2歳年下の弟はお父さんに引き取られた。
・・・そういえば、弟の慧(けい)は元気にしてるかな?
慧はたまに意地悪だけど、優しくていつも気配りが出来るいい子だった。
あと私みたいに優柔不断じゃなかったから、慧は私がお母さんに引き取られると知ったとき『だったら俺は父さんについていく』と言っていた。
私なら、絶対そんなこと言えない。
だってどっちも大好きだったんだもの。
仲が良くて優しくて、周りの友達からも『絢美ちゃんの家族は仲良しだね』って言われて、とても嬉しかった。
なのになんで離婚なんか、したの・・・。
どうしてもそれが分からなくて。
少し前まで笑いあってた2人が。
大好きだって微笑んでた2人が。
大嫌いだと叫んで背を向け合った姿が鮮明に残ってて。
私は多分その頃から恋だとか愛だとか、人を信じるとかが出来なくなったんだ。

