「・・・嫌、じゃない」
「じゃあ離さない」
可愛く答えてくれた姉ちゃんを、優しく抱きしめる。
・・・あれ、姉ちゃん。
なんで嫌がらないんだ・・・?
久しぶりに会った男に抱きしめられて、嫌じゃないのか?
たくさんの疑問が浮かぶけど、姉ちゃんに触れていることが嬉しくて、さっきよりも腕に力を込める。
姉ちゃんも俺の背中に腕を回してくれた。
嬉しいけど・・・どうして、なんだ。
───俺が弟、だから・・・?
家族として、弟としての、スキンシップってことなのか・・・?
複雑な気持ちだったけど、それなら納得がいく。
姉ちゃんが俺を男として好きなわけがないし、久しぶりの弟との再会ができたから・・・って考えたら、今抱きしめあってるのは普通なのかもしれない。
「慧・・・もう、いい?」
しばらくして、姉ちゃんが体を離して訊いてきた。
「あ、あぁごめん!おやすみ!」
慌ててパッと手をどける。
「うん、おやすみ」
姉ちゃんは何事もなかったように、でも少しだけ微笑んで部屋を出て行った。

