「慧?絢美、お風呂出たって。入る?」
「あーうん、入る」
階段の下から母さんの声がした。
俺はゆっくりベッドから起き上がって、下に降りる。
「タオルは置いてあるから」
「ありがと」
「慧・・・、大きくなったわね」
「え、何それ、今更?」
母さんの言葉に笑いながら言う。
「・・・」
「あれ?母さん?」
「戻ってきてくれて・・・ありがとね」
「・・・うん」
少し間を置いて、母さんは微笑んだ。
俺は照れくさくて母さんの横を通り過ぎ、お風呂場に向かう。
・・・急にそんなこと言われたら、泣きそうになってしまった。
礼を言いたいのは俺のほうだよ、母さん。
父さんについていくと家を出て行った俺を、引き取ってくれて・・・ありがとう。
心の中で母さんにお礼を言って、お風呂場のドアを開ける。
──────ガラララッ
「うわぁぁ!!!」
「・・・え、姉ちゃん?!」
そこには湯上りで下着姿の姉ちゃんがいた。
っえぇぇぇえええ!!!
顔がかーっと赤く染まっていくのが分かる。
「もうバカっ!早く出てって変態!!」
姉ちゃんも顔を真っ赤に染めながら、俺を何回か殴ってきた。
「いてっ、ちょっと、母さん!!!」

