「絢美?大丈夫?」
「ん?あぁ、うん」
いつの間にか深く考え込んでしまってたみたい。
箸をもったままで固まっている私を心配そうに奈津が見ていた。
そうよ、こんなこと。
毎回毎回、同じだったじゃない。
いまさらどうして、傷ついたりするの。
私は強いんだから、こんなこと気にしちゃいけない。
「絢美」
不意に名前を呼ばれて奈津の方を向く。
それと同時に口に何かが当たった。
「???」
「ほら、あーんして」
言われるがまま口を開ける。
すると口に甘い香りが広がった。
これは・・・チョコ?
「へへーん、美味しいでしょ?私の手作り生チョコ!」
「お・・・おいひいけど・・・」
「甘いもの食べて、気分換えなよ?」
得意そうに言って、微笑む奈津。
「ありがと・・・ね」
私が小さくそう言うと、奈津は嬉しそうに頷いた。
・・・奈津だけだよ。
私のことを心配してくれる友達は。
私のことを助けてくれる友達は。
ありがとう、奈津。
心の中でもう一度お礼を言って、甘い甘いチョコを飲み込んだ。

