「・・・あいつ、なんだって?」
教室に戻ると親友の奈津が私に聞いてきた。
「別れたいってさ」
「そっか~」
奈津も私と同じく大して驚きはせずに、そのままお弁当を食べ始める。
私もお弁当を広げ、ご飯を食べ始めた。
・・・ふと、彼の顔を思い出す。
私のタイプではなかったけど、普通に整った顔。
告白してきたときには真っ赤に染まっていた。
『一目ぼれしました。俺と、付き合ってください』
なんて。
最近では珍しい直接の告白をしてきた彼。
メールでも、手紙でも、電話でもない。
直接言われた“付き合ってください”という言葉に、私は少しだけ期待したのかもしれない。
この人は、本当に私を愛してくれるのかも・・・と。
でも思い返してみれば“好き”とは一度も言われなかった。
彼だけじゃない。
今まで付き合ってきた、たくさんの男たちも。
私の顔を綺麗だとか、可愛いだとかは言ってくれたけど。
誰も私を“好き”だとは言ってくれなかった。
告白の言葉も全部・・・。
『一目ぼれしたから』だとか。
『見かけたときからいいなって思ってました』だとか。
全部、外見しか見られていなかったんだ。

