「姉ちゃん?」
「・・・あ、ごめん。行こ!」
「?・・・うん」
様子がおかしい私に、慧は不思議そうな顔をした。
私はハッと我に返って歩き出す。
・・・慧に彼女がいたことに、どうしてこんなに動揺しているの。
いや、そもそも私の思い込みだって可能性もある。
なのに私は、自分でも驚くくらいショックを受けていた。
・・・この数年で彼女が出来ないほうがおかしいよね。
出来て当たり前なんだ。
なのに・・・どうしてこんなに切ないんだろう。
───私は。
慧の“姉”なのに・・・。
「あ、降りてきた!早く食べよう」
「うん」
「慧はそこに座ってね。・・・はい、いただきますっ!」
「「いただきます」」
楽しそうに笑うお母さんと、少し照れくさそうにご飯を食べる慧。
私はこのいい雰囲気を壊したくなくて、笑顔でご飯を食べ始めた。

