綺麗な黒髪、綺麗な瞳、綺麗な声。
爽やかに去っていった彼。
「じゃあ、また」と手を上げて・・・。
・・・あれ?
・・・“また”?
彼の残した意味深な言葉に疑問を抱いていると、学校に着いた。
「如月、佐野、遅刻寸前だぞ」
「すいませーん」
先生に注意されながらも教室に入る。
とりあえず教室を見渡してみたけど、さっきの彼はいない。
どうして“また”って言ったんだろう・・・?
私はこの日、ほとんどの時間あの言葉の意味を考えていた。
・・・あなたは誰?
・・・またって、どういう意味?
ぐるぐると考えても答えは出ない。
それでも気になって、また同じことを考える。
何度も先生にぼーっとしすぎだと注意されたけど、そんなこと忘れてしまうくらい私の頭の中は朝の出来事でいっぱいだった。

