でもさすがに初対面で顔をまじまじとは見れないから、私は視線を逸らしてすみませんと謝った。
かなり失礼だけど・・・。
「大丈夫?」
「あ、あぁうん、全然!」
奈津の手を借りて立ち上がり、目の前の彼にぺこりと頭を下げる。
・・・あ、制服が同じだ。
もしかして同じ学校の人?
ほとんど見たことないから、他学年かな。
「俺のほうこそ、すみませんでした」
「え?あっ、いえ全然!私が前見てなかったし・・・」
あまりにも綺麗で透き通った声に一瞬驚く。
男の子なのに、声がそんなに低くないんだ。
もう一度、彼の顔をちらっと見る。
・・・やっぱりなんか、懐かしい。
この人を私、どこかで見かけたのかな。
でも覚えてない・・・。
「じゃあ、また」
「あ、はい!」
私がぼーっとしている間に、男の子は軽く手を上げて去っていった。
・・・誰だろう。
思い出せない・・・。
「絢美、遅れる!行こ!」
「ごめん!行こっ」
奈津に言われて我に返り、私たちも学校へ走り出した。
・・・なんとなく、さっきの男の子の存在がちらつく。

