「悠真があれを造って…
一度自分で試しに使ってみたんだよ…
それでね…
あれを嗅いだ人は…
その香水をつけた人のことを好きになってしまうんだよ…
俺もいつの間にか嗅いじゃってさ…
目が覚めたときは、悠真に…
あぁー!
もう、思い出したくない!
それ以来…
あれは使わないようにしていたんだ。
なのに…
悠真のヤツ…まだ捨ててなかったのかよ…」
結城さんは、本当に思い出したくないのか…
頭を抱えて僕たちに話してきた。
「お、おい…
それが本当なら…
今の七瀬は、危ないってことか…?」
「そうなるね……」
こ、怖い…
あの誰にも惚れない結城さんが…
嗅いだだけで、好きになってしまうなんて…
「あれ?悠真は…?」
「お前、わざと七瀬のとこに置いて行ったんじゃないのか…?」
そうだよ…!
水無月さんが!
「わ、わざとじゃないよ!
南さんたちに危険がないように避難させるのに必死だったから…
悠真のこと忘れていたよぉ…!」
そうだったのか…
僕もてっきり、わざとだと思っていた…



