「て、てんめぇー!」
男は、俺を殴ろうと拳を上にあげた。
殴られる…!
今俺が避けると、この子 ( メイド ) にあたってしまう…!
ここは、我慢して殴られるしか…
俺は、目を閉じて歯を食い縛った。
だが、なかなか拳が飛んでこない…
ん?どうしたんだ…?
俺は、恐る恐る目を開けると…
「ダメだよ~、ご主人様~
メイドを殴ろうとするなんて~」
俺の目の前に結城がいて…
水無月が男が俺に殴ろうとした手を掴み…
暁くんが男の首にナイフを突きつけていた。
「ご主人様。
ここにいるメイドに手を出したら、怖いですよ~?」
結城は、そう言って…
怖くて動けなくなった男の腕を掴み…
「じゃあ…
いって ( 逝って ) らしゃいませ、ご主人様♪」
店の出入り口である扉を開けて男の背中を押して店から出した。
店は、ビルの二階にあって…
店から出るときは階段に気を付けなければいけないのだが…
結城は、わざと男の背中を強く押した。
男がその後、どうなったかは知らない。



