窓から差してくる柔らかい日差しが心地よい暖かい春の日、私、白岡菜子は高校生になります。

とってもオシャレな真新しい制服に腕を通し、なかなかいい感じ、と自己満足に浸っていた。


「菜子!!早くしなさい!!入学式おくれるよ!?」

お母さんだ。

今日は高校の入学式。

憧れの高校生活。

これからどんな友達、先輩、楽しいことが待っているんだろう。

そう考えると、ワクワクが止まらない。

ーー早く学校行かなきゃ。

黒い豆柴のストラップを着けた鞄を持って、家を出る。