図書館から駅へ向かう桜並木道。 といっても今は夏だ。 上を見上げると青々とした葉が揺れている。 自転車にまたがった時、 またもや携帯が振動した。 目をやると、母親からだった。 電話を取る。 『次郎!? 亜希ちゃんがね、すごい熱なのよ。 亜希ちゃんママ、パートに行かないといけないみたいなんだけど、 次郎付いててあげられる? 次郎? 聞いてるの?』 携帯をかばんに放り込み、 僕は自転車で走り出していた。