すらっとした長身に、黒髪のストレートヘア。



彼女は本棚へ向かうようだった。



僕は彼女を知っている。


彼女とは同じ中学だった。


えーっと…、




「藤が丘…」



自分にしか聞こえないくらいのボリュームでつぶやく。



すると、シャンプーのCMを思わせるほど綺麗なストレートヘアを揺らし、振り返る。


目が合うと、彼女は会釈をした。