あわあわとしている。


そんな姿さえ愛おしい。


僕の為にもっと笑って。

僕の為にもっと泣いて。

僕の為にもっと焦って。

僕の為に…



僕の欲を数えるように花火が上がる。





いつの間にか花火に見入っていた亜希がポツリと切り出す。


『いつか終わりがくるかもしれない関係なら、

最初からいらないって、ジローくんは思う?』


亜希が突然口を開く。




僕は、亜希の横顔を見た。


何を思ってるの?

誰を想ってるの?




目を逸らし、答える。




「うん、いらない。」