亜希を見る。 亜希は、泣いていた。 『ふぅう…っ』 俯いたまま、大粒の涙を流している。 「亜希…」 亜希の頬に手を伸ばして涙を拭う。 『ジローくんは…っ 金山さんの事がっ、好きなの…っ?』 嗚咽混じりに亜希がつぶやく。 「金山さんは僕と似てるんだ。」 キラキラ光る屋台通りを眺める。 「だから、もっと辛い思いさせる前に、 はっきり断らないといけないと思ったんだよ。 だから今日、会ってた。」 『ジローくんは、辛いの…っ?』 亜希はこちらに視線を向ける。 目が赤い。