咄嗟に人混みを掻き分け、亜希の腕を掴む。 亜希の顔が見えて、向き合う。 見つめ合ったまま、時間が止まる。 亜希の背後、更に人が押し寄せてきた。 亜希の腕を引き寄せ、肩に腕を回す。 息が上がった二人の息遣いだけが聞こえた。