夕方の匂いがする。 外は明るいがもうずいぶんと時間が経った。 おかしい。 見に行こうと腰を上げた瞬間。 カタン、 下駄箱の下に敷いてあるすのこが鳴る。 『本山君。』 金山さんがそこに立っていた。 逆光していて表情は読めない。 「…亜希は?」 『本山君は…、 笠寺さんの事が好きなの?』 僕の質問には答えない。