放課後。 下駄箱で亜希を待つ。 小学生の時から続く日課だ。 ぼーっと下駄箱にもたれかかり、 玄関からガラス越しに見える校庭を眺めた。 サッカー部に野球部、さらに女子ソフトボール部が 活気に満ちた練習の最中だ。 玄関は静寂に包まれている。 外の音が、遠くに、くぐもって聞こえる。 まるで 「海の中…」 つぶやいた途端、突然騒がしい足音が一つ走ってくる。 亜希だ。