「ごめん、渉。英語見てあげて。」 僕は、走り出す。 職員室へ走る。 引き戸を勢いよく開けるが、亜希の姿はない。 やっぱり。嘘か。 ここじゃないなら、 あそこか。 昼休み、亜希と待ち合わせて過ごす、 いつもの場所。 校舎の裏口を抜けたところの、旧武道場前の踊り場。