『星崎君!

おはよー!』

金山さんは、鞄に手を入れたまま顔を上げて続ける。

『そうなの!

これから仲間に入れてもらおうと思って!』

そう無邪気に笑う彼女は、とても自然で嫌味がない。


下駄箱へ到着し、上履きに履き替える。


靴を下駄箱へしまいながら、
ふと亜希に目をやると、沈んだ顔で俯いている。


「あ、」
亜希、と名前を呼ぼうとした瞬間。

『あたし、職員室に用事があるんだった!

急がなきゃ!

ごめん、先に行くね!』

亜希は振り返らず走りだす。