すると、女の子は勢いよく振り返った。


ふっ、と時間が止まる。


敵意に満ちた悲しい目。


『見ないで!!!!!』



なんて、悲しそうな目。


時間が動き始めた。




僕はふわりと笑う。

「はじめまして。

僕は もとやま じろう。

きみのなまえは?」


女の子が目を見開く。


小さな声が、二人の間にポツリと落ちる。

『……かさでら……あき…。』




君と出逢った小学3年生の秋。



僕は、君に 恋をした。